コラム / 保護者の方へ
2学期に向けて|生活リズムを戻す1週間の作り方
起床時刻から整える、7日間の具体的な手順

夏休みも終盤に入ると、こんな状態になっていることがあります。
- 「起きるのが昼近くになっている」
- 「寝るのが毎日23時を過ぎる」
- 「朝ごはんを食べない日が続いている」
そして、こう思います。「このままで2学期は大丈夫だろうか」
この記事は、川越市で少年サッカークラブ(KUGEDO FC Junior)を運営する立場から、生活リズムを戻す具体的な手順を整理したものです。
この記事でわかること
- なぜ生活リズムが崩れると影響が出るのか
- 7日間で戻す、具体的な計画
- 起床時刻から整えるべき理由
- 練習再開時にケガをしやすい理由と対策
- 9月に失速しないための考え方
先にお伝えします。「今からでは手遅れ」ということはありません。 崩れたものは戻せます。ただし、一気に戻そうとすると失敗するため、段階を踏む必要があります。
1. なぜリズムが崩れると影響が出るのか
「眠い」だけでは済まない
生活リズムが崩れると、次のような状態になることがあります。
- 授業中に集中できない
- 練習で反応が遅れる
- 些細なことでイライラする
- 食欲が安定しない
特にサッカーへの影響は分かりやすく出ます。 判断が遅れ、動きが鈍り、ミスが増える——という形です。そして本人は「なんだか上手くいかない」と感じます。技術の問題ではないのに、自信を失うことがあります。
ケガのリスクも上がる
睡眠不足の状態では、反応が遅れます。サッカーは相手との接触があるスポーツです。反応が遅れれば、避けられる接触も避けられません。疲労の蓄積した状態は、ケガのリスクを高めると考えられています。夏休み明けにケガが増えるのは、体が動いていない期間があったことと、リズムが崩れていることが重なるためです。
戻すには時間がかかる
崩れるのは数日ですが、戻すのには1〜2週間かかると言われています。だからこそ、夏休みが終わってから始めるのでは遅いのです。終わる前から準備を始める必要があります。
2. 7日間で戻す計画
具体的な手順を示します。夏休み終了の7日前から始める前提です。
全体の流れ
| 日 | 起床の目標 | その日にやること |
|---|---|---|
| 7日前 | 普段より30分早く | まず「起きる」だけに集中 |
| 6日前 | 同上を維持 | 朝食を食べる |
| 5日前 | さらに15分早く | 午前中に体を動かす |
| 4日前 | 同上を維持 | 学習時間を10分でも設ける |
| 3日前 | さらに15分早く | 就寝時刻も意識し始める |
| 2日前 | 学校と同じ時刻 | 持ち物の準備をする |
| 前日 | 学校と同じ時刻 | 早めに就寝 |
ポイントは「起床から整える」ことです。 就寝時刻を先に変えようとしても、眠くならなければ寝られません。
なぜ起床から整えるのか
「早く寝なさい」と言っても、体が眠くなっていなければ寝られません。布団の中で目が冴えているだけです。一方、早く起きれば、夜に自然と眠くなります。順序としては起床が先です。これは、朝の光を浴びることで体内のリズムが整うという考え方に基づいています。起きたらまずカーテンを開ける——これだけでも意味があります。
段階を踏む理由
一気に2時間早く起こそうとすると、その日は起きられても、翌日から続きません。30分ずつ、体が慣れるのを待ちながら進めてください。7日間かけて元に戻すという設計です。もし途中で崩れても、そこからやり直せば大丈夫です。完璧を目指さないでください。
期間が足りない場合
「気づいたら残り3日しかない」というケースもあります。その場合は、起床時刻だけに絞ってください。学習も体を動かすことも後回しで構いません。3日でも、起床が整えば9月の入りは大きく変わります。
3. 起床を助ける、具体的な工夫
朝に「楽しみ」を置く
起きる理由があると、起きやすくなります。
- 好きな朝ごはんを用意する
- 朝に見たい番組を録画しておく
- 家族で散歩に行く約束をする
「起きなさい」と言うより、起きる理由をつくるほうが効果的です。
カーテンを開ける
前述のとおり、朝の光は体内リズムを整えるとされています。起こす前にカーテンを開けておくだけでも、目覚めやすくなることがあります。明るい部屋で寝ていると、自然と目が覚めるという仕組みです。
前日の夜を整える
起床を助けるには、前日の夜も見直す必要があります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 画面を見る時間 | 就寝1時間前には終える |
| 入浴 | 就寝の1〜2時間前 |
| 部屋の明るさ | 就寝前は暗めに |
| 夕食 | 就寝の2〜3時間前まで |
特に画面(テレビ・タブレット・ゲーム)は影響が大きいと言われています。就寝直前まで見ていると、寝つきが悪くなることがあります。
昼寝の扱い
夏休み中に昼寝の習慣がついている場合、時間帯を調整してください。
- 昼食後〜15時ごろまでに
- 長くても1時間程度
夕方に寝てしまうと、夜の睡眠に影響します。 リズムを戻す期間は、昼寝を短めにするのが無難です。
4. 睡眠時間の目安
必要な時間には個人差がある
小学生に必要な睡眠時間は、一般に9〜11時間程度とされることが多いようです。ただし個人差が大きいため、この数字だけで判断しないでください。判断の基準は、朝すっきり起きられるかです。
- 何度も起こさないと起きない
- 起きても機嫌が悪い
- 日中にあくびが多い
これらが見られるなら、睡眠が足りていない可能性があります。
逆算して就寝時刻を決める
朝6時半に起きる必要があるなら、10時間確保するには20時半就寝です。これは低学年では現実的ですが、高学年で習い事がある場合は難しいことがあります。その場合は、確保できる範囲で最大限を目指してください。9時間でも8時間半でも、安定していることのほうが大切です。
平日と休日の差を小さく
休日に大幅に寝坊すると、月曜の朝がつらくなります。差は1〜2時間以内に収めることを目安にしてはいかがでしょうか。完全に同じにする必要はありません。
5. 練習再開時のケガ予防
生活リズムと並んで重要なのが、練習再開時の体の状態です。
夏休み明けにケガが増える理由
- 体が動いていない期間があった
- 筋力・柔軟性が落ちている
- 本人の感覚は「できるつもり」でいる
- 生活リズムが崩れて反応が遅い
「久しぶりだから加減しよう」と考える小学生は、ほとんどいません。 再開初日に全力で動いてしまいます。
再開前にやっておきたいこと
① 数日前から軽く体を動かす
いきなり練習に行くのではなく、2〜3日前から散歩やジョギング程度でも構いません。体を「動く状態」に戻しておきます。
② ストレッチを再開する
休んでいる間に柔軟性は落ちます。筋肉が硬いままで急に動くと、痛めるリスクが上がります。
③ スパイクのサイズを確認する
これは見落とされがちです。成長期の子どもは、数ヶ月で足のサイズが変わります。 夏の間に大きくなっていることは珍しくありません。サイズの合わないスパイクは、靴擦れの原因になる、足の指を痛める、動きが不安定になる——再開前に必ず確認してください。
④ 初日は無理をしない
「久しぶりだから頑張ろう」ではなく、**「久しぶりだから慎重に」**が正解です。指導者に「しばらく休んでいました」と伝えておくと、配慮してもらえることがあります。
痛みが出たら止める
再開後に痛みを訴えた場合、「慣れれば治る」と続けさせないでください。特に膝やかかとの痛みは、成長期に起こりやすいものです。痛みが続く場合は医療機関にご相談ください。
6. 朝食が「戻す」を支える
生活リズムを戻すとき、朝食は見落とされやすいポイントです。
夏休みに朝食が崩れやすい理由
起床が遅くなると、朝食と昼食が一つになることがあります。
- 起きたのが11時で、そのまま昼食
- 朝は食欲がないので抜く
- 家族の生活時間がばらばらで一緒に食べない
これが続くと、「朝は食べない」が習慣になります。
朝食を戻す順序
いきなり通常量を食べさせようとしても、食欲がなければ食べられません。段階を踏んでください。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 第1段階 | 何か一口でも口にする(バナナ、ヨーグルト等) |
| 第2段階 | 主食を加える(パン、おにぎり等) |
| 第3段階 | 主食+たんぱく質(卵、乳製品等) |
「食べさせなければ」と力まないでください。 まず食卓につく習慣から戻すのが現実的です。
練習日の食事
練習がある日は、帰宅が遅くなります。平日19時開始の場合、練習前に軽く食べておかないと、空腹のまま動くことになります。かといって直前に食べると、動きづらくなります。目安として、練習の1〜2時間前に軽めの補食を取る形が現実的です。おにぎり1個、バナナ1本程度でも構いません。練習後の食事が21時を過ぎる場合、量を調整することも検討してください。遅い時間の重い食事は、睡眠に影響することがあります。
完璧を目指さない
毎朝きちんと用意するのは、共働き家庭では現実的でないこともあります。前日に用意しておく、簡単なもので済ませる——続けられる形を優先してください。何も食べないよりは、バナナ1本のほうが確実に良いです。
7. 9月に失速しないための考え方
9月は「戻す期間」
夏休み明けにいきなり調子が上がることは、あまりありません。
- 体が動くようになるまで数週間
- 感覚が戻るまでにも時間がかかる
- 生活リズムが整うまでも同様
9月は元の状態に戻す期間と考えてください。ここで「調子が悪い」と焦る必要はありません。
責めない
「夏休みに練習しなかったから」「だらだらしていたからだ」——これらの言葉は、状況を改善しません。 むしろ本人のやる気を削ぎます。過ぎたことより、今日からどうするかに目を向けてください。
学校行事との重なりに注意
9月は運動会の練習が始まる学校も多い時期です。学校の練習+クラブの練習という状態になると、負荷が一気に上がります。
- 疲れている様子はないか
- 睡眠は足りているか
- 「行きたくない」と言い始めていないか
この時期は特に、様子を見てください。 必要なら、クラブの練習を減らす判断も有効です。「行きたくない」と言われたときの対応は、別記事「サッカーの練習を休みたがる日、どうするか」にまとめています。
焦らせない環境を選ぶ
そもそも、休むことに寛容な環境かどうかも影響します。「休むと試合に出られない」「出席率が評価される」——こうした仕組みだと、体調が悪くても無理をしてしまいます。長く続けるためには、調整できる余地があることが重要です。
8. うまくいかないときの対処
計画どおりに進まないことは、よくあります。その場合の考え方を整理します。
途中で崩れた場合
旅行、帰省、親戚の集まり——予定が入れば崩れます。そこでやめないでください。 翌日からまた戻せば大丈夫です。7日計画の途中で2日崩れたなら、残りの日数で調整します。完璧に7段階を踏む必要はありません。
本人が協力しない場合
「起きなさい」と言っても起きない。これは珍しくありません。押し問答にしないことが大切です。毎朝それで揉めると、朝が嫌な時間になります。代わりに、理由を説明してみてください。「2学期が始まってから朝がつらいと大変だから、今のうちに慣らしておこう」——小学生でも、理由が分かれば納得することがあります。命令より説明のほうが動くことは、意外に多いものです。
何をやっても戻らない場合
数日試しても改善しない場合、別の要因があるかもしれません。
- 体調そのものが優れない
- 学校に行きたくない気持ちがある
- 何か心配ごとを抱えている
「だらけている」と決めつける前に、様子を見てください。 生活リズムの問題に見えて、別のことが背景にある場合があります。眠れない状態が続く、食欲がない、表情が暗い——こうした様子が見られる場合は、医療機関や学校のカウンセラーへの相談も検討してください。
兄弟がいる場合
兄弟で同じようにはいきません。 上の子は自分で調整できても、下の子には難しいことがあります。年齢差があるほど、必要な睡眠時間も違います。それぞれ別に考えてください。 一律に「〇時に寝なさい」とすると、どちらかに無理が生じます。
完璧を目指さない
最後にもう一度お伝えします。完璧を目指さないでください。 7日計画どおりにいかなくても、起床が1時間早くなっただけでも前進です。9月に少しでも楽になれば、それで十分な成果です。
9. 学年別の注意点
低学年(小1〜小2)
リズムが崩れやすく、戻りやすい時期です。体力の個人差が大きいため、周りに合わせず本人の様子を見てください。早めの就寝を確保することが最優先です。9〜10時間程度を目安に、確保できる形を考えてみてください。
中学年(小3〜小4)
学習量が増え、就寝時刻が後ろにずれやすい時期です。宿題を夜遅くにやる習慣がつくと、リズムが崩れます。夕方のうちに終わらせる形にできないか、検討してみてください。
高学年(小5〜小6)
塾や習い事で予定が詰まりやすい時期です。すべてをこなそうとすると、睡眠が削られます。優先順位をつける判断が必要になることがあります。習い事の量については別記事「サッカーと塾・習い事の掛け持ちはできる?」も参考にしてください。また、成長期に入る子が出てくる時期でもあります。この時期は特に睡眠の重要性が高いと考えられています。
10. KUGEDO FC Junior の考え方(参考として)
参考として、私たちの立場を記します。
練習時間は19:00〜20:30(平日)
平日は火・水の19:00〜20:30です。21時前には終了します。送迎の時間を含めても、就寝時刻を大きく崩さない設計を意識しています。とはいえ低学年のご家庭では、この時間帯でも遅く感じられることがあると思います。その場合は、土日中心の参加をご相談ください。土日は18:00〜19:30です。
休むことに制約はありません
体調が優れない日、疲れが溜まっている日は、休んでいただいて構いません。保護者当番がないため、休むことで他のご家庭に負担がかかる仕組みにはなっていません。
練習前の勉強1時間(有志)
練習前に勉強の時間を設けています(有志)。進学校の高校生メンターが学習をサポートします。「決まった時間に机に向かう」機会があることは、生活リズムを整えるうえでも意味があると考えています。詳しくはサッカーと勉強は両立できる|文武両道を習慣にをご覧ください。
基本情報
| 対象 | 小学1年生〜6年生 |
| 活動場所 | 川越東高校 第一グラウンド(埼玉県川越市久下戸6060)/駐車場あり |
| 活動日 | 火・水 19:00〜20:30/土・日 18:00〜19:30 |
| 月会費 | 12,000円 |
| 保護者当番 | なし(送迎のみ) |
| 無料体験 | 3回まで/見学のみでもOK |
| 代表 | 山谷和紀(早稲田大学 先進理工学部卒/JFA公認B級コーチ/川越東高校サッカー部 コーチングスタッフ) |
よくある質問
残り3日しかありません。間に合いますか?
起床時刻だけに絞ってください。学習や運動は後回しで構いません。3日でも起床が整えば、2学期の入りは変わります。
早く寝かせようとしても、眠らないのですが。
順序が逆かもしれません。まず起床を早めてください。早く起きれば、夜に自然と眠くなります。就寝から変えようとしても難しいことが多いです。
何時間寝かせるべきですか?
一般に小学生は9〜11時間程度とされることが多いですが、個人差が大きいです。「朝すっきり起きられるか」を基準にしてください。
休日も同じ時刻に起こすべきですか?
完全に同じにする必要はありません。差を1〜2時間以内に収めることを目安にしてください。休日の大幅な寝坊は、月曜の朝に響きます。
練習を再開したら痛みを訴えました。
続けさせず、様子を見てください。痛みが続く場合は医療機関にご相談ください。特に膝やかかとの痛みは、成長期に起こりやすいものです。
9月は調子が悪そうです。何かすべきですか?
焦らないでください。9月は戻す期間です。数週間かけて元に戻ります。この時期に練習量を増やすと、かえって負担になります。
運動会の練習と重なって疲れています。
クラブの練習を減らす判断も有効です。学校行事とクラブが重なる時期は、負荷が一気に上がります。無理をさせないでください。
まとめ——起床から、段階的に
夏休み明けに生活リズムを戻す手順を整理します。
- 起床時刻から整える(就寝から変えようとしない)
- 7日かけて段階的に戻す(一気に戻すと続かない)
- 朝に光を入れる・楽しみを置く(起きる理由をつくる)
- 練習再開前に体を動かしておく(ケガ予防)
- スパイクのサイズを確認する(夏の間に足は大きくなる)
そして、9月は「戻す期間」と割り切ってください。 夏休み明けにいきなり調子が上がることはありません。焦って練習量を増やすより、体と生活が整うのを待つほうが、結果的に早く戻ります。
「夏休みにだらけたから」と責める必要もありません。多くの家庭で起きていることです。今日から整えれば、それで十分です。
家でできる練習は家でできる自主練メニューと親のサポートに、クラブ選びの視点は川越の少年サッカークラブの選び方|後悔しない5つの視点にまとめています。

KUGEDO FC Junior 編集部
監修: 代表 山谷和紀/川越東高校サッカー部 コーチングスタッフ



