コラム / 保護者の方へ

サッカーで足が速くなる?運動会前に親ができること
短期間でできること・できないこと

サッカーで足が速くなる?運動会前に親ができること【小学生】

「サッカーをやらせたら、足が速くなるだろうか」「運動会が近い。少しでも速く走れるようにしてあげたい」「毎年、順位が下のほうで悔しそうにしている」——9月の運動会を前に、こうした思いを持つ保護者の方は多いはずです。

この記事は、川越市で少年サッカークラブ(KUGEDO FC Junior)を運営する立場から、足の速さについて現実的に整理したものです。

この記事でわかること

  • サッカーと足の速さの関係(正直なところ)
  • 短期間でできること・できないこと
  • 走り方で見るポイント
  • 直前にやってはいけないこと
  • 順位以外に目を向ける視点

先にお伝えします。「サッカーをすれば足が速くなります」とは書きません。 そう書けば入会につながるかもしれませんが、事実ではないからです。サッカーは足を速くするための競技ではありません。ただし、走ることが多い競技なので、結果的に走力が上がることはあります。この違いを正直にお伝えします。

1. サッカーと足の速さの関係

サッカーは「速く走る練習」ではない

まず正直に書きます。サッカーの練習は、短距離走を速くするための練習ではありません。 サッカーで求められる走りは、短距離走とは性質が異なります。

項目短距離走サッカー
距離50m〜100mを直線で数m〜数十mの繰り返し
方向まっすぐ頻繁に変わる
スタート号砲に合わせて状況に応じて
求められるもの最高速度加速・減速・方向転換

サッカーが得意でも、かけっこが速いとは限りません。 逆もまた然りです。

それでも「結果的に速くなる」ことはある

一方で、次のような効果は期待できます。

  • 走る量が増える(体力・持久力)
  • 動きの経験が増える(体の使い方)
  • 瞬発的な動きに慣れる(加速)

こうした積み重ねで、結果として走力が上がる子はいます。ただし、それを目的とした練習ではないという点は、正直にお伝えしておきます。

「速くするため」に始めるなら

もし「足を速くすること」が第一の目的なら、陸上教室やかけっこ教室のほうが目的に合っています。サッカーを選ぶ理由は、サッカーが好きだから、あるいはチームで何かをする経験を積みたいからであってほしいと考えています。

2. 足の速さは何で決まるのか

変えられない要素

正直に書きます。足の速さには、変えにくい要素があります。

  • 体格(脚の長さなど)
  • 筋肉の質(遺伝的な要素)
  • 成長のタイミング

特に小学生年代では、成長の早い子が有利になりがちです。同じ学年でも、体の発達段階に大きな差があるためです。生まれ月の影響も無視できません。 4月生まれと3月生まれでは、発達段階に約1年の差があります。

変えられる要素

一方で、取り組みによって変わる部分もあります。

要素変えられるか
走り方(フォーム)✅ 変えられる
スタートの反応✅ 練習で改善しやすい
体の柔らかさ✅ 継続で変わる
走ることへの苦手意識✅ 経験で変わる

特に「走り方」と「スタート」は、意識するだけで変わることがあります。

短期間で変えられるのはどこか

運動会まで数週間という状況では、できることは限られます。

  • 筋力を大幅に増やす → 難しい
  • 持久力を大きく上げる → 難しい
  • 走り方を少し意識する → 可能性がある
  • スタートの準備をする → 可能性がある

現実的なのは、後者2つです。過度な期待はせず、できる範囲で取り組むという姿勢が結果的にうまくいきます。

3. 走り方で見るポイント

専門的な指導は難しくても、保護者が見て気づける点があります。

① 腕を振っているか

最も分かりやすいポイントです。 腕が体の横で止まっている子は少なくありません。腕の振りは、脚の動きと連動すると言われています。

  • 肘を曲げて、前後に振る
  • 左右にぶれない
  • 力みすぎない

「腕を振ってごらん」と声をかけるだけで、変わる子もいます。

② 上体が起きているか

前かがみになりすぎていないでしょうか。

  • 極端に前傾している
  • 逆に、のけぞっている
  • 顔が下を向いている

まっすぐ前を見る——これだけで姿勢が変わることがあります。

③ 接地の位置

やや専門的ですが、足がどこに着いているかも観点のひとつです。体のかなり前に足が着いていると、ブレーキがかかる形になると言われています。ただし、これは意識して変えるのが難しい部分です。無理に修正しようとすると、かえって走りにくくなることがあります。

④ スタートの姿勢

運動会で最も差がつきやすい部分かもしれません。

  • 号砲を待つとき、動き出せる姿勢か
  • 最初の一歩が出ているか
  • スタートで固まっていないか

スタートは練習しやすい部分です。 「よーい、ドン」を数回やってみるだけでも、慣れが生まれます。

⚠️ 注意:フォームを厳しく指導しない

細かく指摘しすぎないでください。 「腕が違う」「もっとこう」と言い続けると、走ること自体が嫌になります。ひとつだけ伝える、うまくいったら褒める——この程度で十分です。

4. 運動会前にやってはいけないこと

この章が、この記事で最も重要かもしれません。

❌ 急に走り込みをさせる

「運動会まであと2週間だから、毎日走ろう」——これは最も避けたい行動です。 普段より急に負荷を上げると、ケガのリスクが高まります。特に成長期の子どもは、膝やかかとに負担がかかりやすい時期です。運動会前にケガをして、当日出られなくなる——これでは本末転倒です。痛みが出た場合の対応は、別記事「少年サッカーのケガ予防|成長期の痛みとの付き合い方」にまとめました。

❌ プレッシャーをかける

「今年こそ1位を取ろう」「去年より速くならないとね」——期待は、子どもにとって重荷になります。プレッシャーがかかると、体は硬くなります。緊張した状態では、本来の力が出にくくなると言われています。

❌ 前日に頑張らせる

前日は休ませてください。 前日に走り込んでも、当日の速さには影響しません。むしろ疲労が残るほうが問題です。

❌ 順位で評価する

これが最も避けたいことです。「何位だった?」から入ると、順位が全てだというメッセージになります。順位は本人にコントロールできません。コントロールできることを認めてください。

5. 前日・当日にできること

前日

特別なことはしないでください。

  • いつもどおり過ごす
  • 早めに就寝する
  • 持ち物を確認しておく

睡眠が最も効果的な準備です。夜更かしすると、翌日のパフォーマンスに影響することがあります。

当日の朝

  • 朝食をとる(食べすぎない)
  • 時間に余裕を持って家を出る
  • プレッシャーをかけない

「がんばってね」で十分です。「1位を取ろう」は言わないでください。

出走前

軽く体を動かしておくと、急な全力疾走による負担を減らせると言われています。

  • 軽いジョギング
  • 足首や膝を回す
  • 軽く跳ぶ

ただし、やりすぎると疲れます。数分程度で十分です。

走り終わったあと

順位に関係なく、まず「おつかれさま」から。 本人が悔しがっていたら、そっとしておくことも選択肢です。慰めの言葉が届かない日もあります。

6. かけっこ以外の種目

運動会は徒競走だけではありません。他の種目で活躍できる子もいます。

リレー

バトンパスで差がつくことがあります。 走る速さそのものより、受け渡しがスムーズかで順位が変わることは珍しくありません。

  • 前を向いたまま手を出せるか
  • 走りながら受け取れるか
  • 落とさずに渡せるか

練習しやすい部分です。家庭でも、走りながら物を受け渡す遊びで慣れることができます。

玉入れ・大玉転がしなど

足の速さと関係のない種目です。こうした種目で活躍する子もいます。**「かけっこは苦手だけど、これは得意」**という経験は、自信につながります。

団体競技・ダンス

近年は表現種目を取り入れる学校も増えています。覚えることが得意な子、リズム感のある子——別の力が評価される場です。

学年別・種目の傾向

学年傾向
低学年短い距離の徒競走、ダンス中心
中学年距離が伸びる、団体種目が増える
高学年リレー、係の仕事、下級生の世話

高学年になると「係の仕事」も評価の対象です。走る以外の場面で貢献している子もいます。**「うちの子は足が遅いから運動会が憂鬱」**と決めつける前に、他の場面を見てあげてください。

7. 学年別の関わり方

低学年(小1〜小2)——順位を意識させない

この時期は、そもそも順位の意味を理解していないことも多いです。「1位じゃなかった」と親が残念そうにすると、そこで初めて「順位は重要なんだ」と学びます。楽しく走れたかどうかだけを見てください。この時期に「運動は楽しい」と感じられることが、その後を左右します。

中学年(小3〜小4)——比較が始まる時期

周りとの差を意識し始める時期です。「〇〇くんのほうが速い」と本人が言い始めたら、否定せずに聞いてください。そのうえで、「去年より速くなってるよ」と過去との比較に視点を移すと、受け止めやすくなります。

高学年(小5〜小6)——自分で準備できる時期

本人が「速くなりたい」と言い出すことがあります。このとき、親が主導しないでください。本人が決めて、本人が取り組む形が理想です。何をするか本人に考えさせる、やり方が分からなければ一緒に調べる、続かなくても責めない——。この年代は成長期に入る子も出てきます。急に体が変わると、思うように走れなくなることがあります。これは技術の問題ではありません。

8. 順位以外に目を向ける

速い・遅いは、その子の価値ではない

当たり前のことですが、確認しておきたい点です。 足が速いことは、たくさんある特性のひとつにすぎません。それが本人の価値を決めるわけではありません。小学校では足の速さが目立ちやすいのですが、大人になれば、それが人生を左右することはほとんどありません。

見てあげたい他の観点

観点例
最後まで走りきったか諦めずにゴールしたか
練習してきたか本人なりに準備したか
応援していたか友達を応援できたか
悔しがれたか悔しさは本気の証拠

「最後まで走った」ことは、それだけで褒める価値があります。

苦手意識をつけないこと

運動会をきっかけに、「自分は運動が苦手だ」と思い込んでしまう子がいます。これは避けたい状況です。苦手意識は、その後の運動全般に影響することがあります。

  • 順位を強調しない
  • 「速くない=ダメ」と伝えない
  • 他にできることを認める

運動そのものを嫌いにさせないことが、長い目で見て最も重要です。

9. 長期的に走力を伸ばしたい場合

短期ではなく、長い目で取り組む場合の考え方です。

多様な動きを経験する

小学生年代では、特定の動きだけを反復するより、いろいろな動きを経験するほうが良いという考え方が一般的です。

  • 走る、跳ぶ、投げる
  • 方向を変える
  • バランスを取る

サッカーはこの点で有利です。走る、止まる、方向を変える、蹴る——多様な動きが含まれています。

体を大きくすることを急がない

「筋トレをすれば速くなる」と考える方もいますが、小学生年代での本格的な筋力トレーニングは、慎重に検討すべきとされています。成長期の体には、負担が大きい場合があります。取り組む場合は、専門家の指導のもとで行ってください。

継続が最も効く

数週間で劇的に変わることはありません。 一方、1年、2年と続けていれば、体力・走力ともに変化します。それは特別な練習ではなく、続けたこと自体の成果です。

楽しんでいるかが土台

最終的に、本人が楽しんで体を動かしているかが最も重要です。嫌々やらされている運動は続きません。続かなければ、変化も生まれません。

10. KUGEDO FC Junior の考え方(参考として)

参考として、私たちの立場を記します。

「足を速くします」とは言いません

私たちはサッカークラブであり、陸上教室ではありません。 「入れば足が速くなります」という言い方はしていません。結果として走力が上がる子はいますが、それを約束するものではないからです。

走る量は多い競技です

一方で、サッカーは走る量が多い競技です。練習でも試合でも、走る・止まる・方向を変えるという動きを繰り返します。続けていれば、体力面での変化は期待できます。

過度な負荷はかけません

成長期の体に配慮し、過度な走り込みは行いません。特に暑い時期は、安全を最優先にしています。痛みの申告があれば、その場で止めてもらいます。

「考えて走る」ことを重視します

やみくもに走るのではなく、「なぜそこに走るのか」を考えることを大切にしています。サッカーで求められるのは、速さそのものより適切なタイミングで適切な場所へ動くことだと考えているためです。この点はサッカーが上手くなる小学生の共通点でも触れています。

基本情報

対象小学1年生〜6年生
活動場所川越東高校 第一グラウンド(埼玉県川越市久下戸6060)/駐車場あり
活動日火・水 19:00〜20:30/土・日 18:00〜19:30
月会費12,000円
保護者当番なし(送迎のみ)
無料体験3回まで/見学のみでもOK
代表山谷和紀(早稲田大学 先進理工学部卒/JFA公認B級コーチ/川越東高校サッカー部 コーチングスタッフ)

よくある質問

サッカーをすれば足が速くなりますか?

約束はできません。サッカーは足を速くするための競技ではないためです。ただし走る量は多いので、結果的に体力・走力が上がる子はいます。

運動会まで2週間です。今から何かできますか?

走り方を少し意識する、スタートを数回練習する程度が現実的です。急な走り込みはケガのリスクがあるため避けてください。

走り方を教えたほうがいいですか?

ひとつだけ伝える程度にしてください。細かく指摘しすぎると、走ること自体が嫌になります。

前日は何をすればいいですか?

いつもどおり過ごし、早めに寝てください。前日の走り込みは、当日の速さに影響しません。むしろ疲労が残ります。

毎年順位が下で、本人が落ち込んでいます。

順位を強調しないでください。「最後まで走りきったこと」を認めてあげてください。苦手意識をつけないことが最も大切です。

筋トレをさせてもいいですか?

小学生年代での本格的な筋力トレーニングは慎重にとされています。取り組む場合は専門家の指導のもとで行ってください。

運動靴を買い替えたほうがいいですか?

サイズが合っているかは確認してください。小さくなった靴は走りにくく、ケガの原因にもなります。ただし「速く走れる靴」に買い替えれば速くなる、というものではありません。

当日、雨で延期になった場合は?

気持ちの切り替えが必要になります。準備してきた子ほど、肩透かしを感じることがあります。「また次にできるね」と受け止めてあげてください。

走るのが嫌いで、運動会に行きたがりません。

理由を聞いてみてください。走ること自体が嫌なのか、順位を見られるのが嫌なのかで対応が変わります。無理に励ますより、「嫌なんだね」と受け止めるほうが、話してくれることがあります。担任の先生に相談するという方法もあります。

足が速い子と比べてしまいます。

多くの保護者の方が同じ気持ちを持っています。比較の対象を「去年のわが子」に置き換えることを意識してみてください。難しいですが、効果があります。

足が速い教室に行かせたほうがいいですか?

「足を速くすること」が第一の目的なら、陸上教室のほうが目的に合っています。サッカーは、サッカーが好きだから始めるものだと考えています。

まとめ——できることは限られる、だから焦らない

足の速さについて整理します。

  1. サッカーは足を速くするための競技ではない(結果的に上がることはある)
  2. 変えられる要素と、変えにくい要素がある(体格・成長は変えにくい)
  3. 短期間でできるのは「走り方」と「スタート」程度
  4. 急な走り込みは危険(ケガで当日出られなくなる)
  5. 順位で評価しない(苦手意識をつけないことが最優先)

そして最も大切なのは、運動そのものを嫌いにさせないことです。順位は小学校の6年間だけのものですが、「体を動かすのが好き」という感覚は一生残ります。目先の順位のために、それを失わせないでください。

長期的には、続けることが最も効きます。1年、2年と体を動かし続けていれば、変化は必ず生まれます。

考える力の伸ばし方はサッカーが上手くなる小学生の共通点に、クラブ選びの視点は川越の少年サッカークラブの選び方|後悔しない5つの視点にまとめています。

山谷和紀

KUGEDO FC Junior 編集部

監修: 代表 山谷和紀/川越東高校サッカー部 コーチングスタッフ

関連記事

無料体験募集中

KUGEDO FC Juniorでは、小学1年生〜6年生を対象に無料体験(3回)を受付中です。 代表との個別相談もついています。まずは気軽に体験から始めてみませんか?

無料体験3回見学OK当番なし駐車場あり小1〜小6
公式LINEで無料体験を予約

LINEで「学年」を送るだけ・30秒/見学だけでもOK

料金・活動日を見る

対象:小学1年生〜6年生・各学年15名上限・現在受入余裕あり